新興国株式のインデックス投資をするとき、どのように商品を選んでいますか?
人気の新興国株式のインデックスファンドには、「SBI・新興国株式インデックス・ファンド【愛称】雪だるま」と「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」があります。
同じ新興国株式でも、この2つには明確な違いがあります。
その特性を知った上で投資先を選ぶことをお勧めします。
ベンチマークが違う
ベンチマークとは、運用の指標となるものです。
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」は「FTSEエマージング・インデックス」、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」は「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」をベンチマークにしています。
FTSEエマージング・インデックスとMSCIエマージング・マーケット・インデックスの違い
FTSE エマージング・インデックス | MSCI エマージング・マーケット・ インデックス |
|
---|---|---|
特色 | 大型株・中型株・小型株 | 大型株・中型株 |
構成国 | 構成国割合の30%以上は中国 韓国を含まない 台湾、インドが多め |
構成国割合の30%以上は中国 韓国含む |
ETF | VWO (バンガードFTSEエマージング・マーケッツETF) (経費率0.08%) |
EEM (iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF) (経費率0.70%) |
投資信託 | SBI・新興国株式インデックス・ファンド (信託報酬0.176%程度) |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス (信託報酬0.1518%以内) |
MSCIは韓国を新興国に分類していますが、FTSEでは先進国に分類しています。
FTSEは小型株を多く含むため、FTSEの方がより幅広い株式・国々に分散投資しています。
新興国株式 FTSEとMSCIの構成国
構成国一覧は下記の通りです。
FTSEエマージング・インデックス | MSCIエマージング・マーケット・ インデックス |
---|---|
24か国 | 24か国 |
中国 | 中国 |
台湾 | 台湾 |
インド | インド |
- | 韓国 |
ブラジル | ブラジル |
サウジアラビア | サウジアラビア |
南アフリカ | 南アフリカ |
メキシコ | メキシコ |
タイ | タイ |
インドネシア | インドネシア |
マレーシア | マレーシア |
アラブ首長国連邦 | アラブ首長国連邦 |
カタール | カタール |
クウェート | クウェート |
フィリピン | フィリピン |
- | ポーランド |
トルコ | トルコ |
チリ | チリ |
ギリシャ | ギリシャ |
- | ペルー |
ハンガリー | ハンガリー |
チェコ | チェコ |
コロンビア | コロンビア |
エジプト | エジプト |
アイスランド | - |
パキスタン | - |
ルーマニア | - |
MSCIは韓国、ポーランド、ペルーを含み、FTSEはアイスランド、パキスタン、ルーマニアを含みます。
この構成国は時期で異なります。
2022年3月、MSCIとFTSEは共にロシアを主要指数から除外すると発表しました。(2024年1月更新)
新興国株式 FTSEとMSCIの構成国の比率
MSCIは韓国が4番目に多い13.3%となっています。
以前はインドの比率が9.7%でしたが、2023年には13%になり、韓国と逆転しました。(2024年1月更新)
FTSEに韓国は含まれません。FTSEは韓国の代わりにその他の国の比率が大きくなっています。
パフォーマンス
(チャートはTradingviewより)
新興国ETFである、VWOとEEMのチャートの比較をしました。
オレンジがVWO、水色がEEMです。
起点の価格は異なりますが、ほぼほぼ同じ動きをしていることが分かります。
まとめ
「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」または「EEM」がおすすめな人
- 大型・中型株に集中投資したい人
- 韓国に投資したい人
- eMAXIS Slim先進国株式インデックス(韓国を含まない)に投資している人
「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」または「VWO」がおすすめな人
異なる投資信託のシリーズを買うときは注意
先進国に韓国を含むFTSEディべロップド・オールキャップ・インデックスをベンチマークにしている投資信託(SBI・先進国株式インデックス・ファンド)を買っている場合、新興国株式に「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」を選択すると、韓国の比率が非常に多くなってしまいます。
オルカンでなく、個別に先進国株式、新興国株式、日本国株式を自分で組み合わせて買っている方は、構成国にも注意して購入することをおすすめします。
「eMAXIS Slim」シリーズ、「SBIの雪だるま」シリーズなど、統一して買うのが無難かもしれません。
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