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【積立投資信託】レンジ相場でも勝てる|ボラティリティが高いほど有利?【ドルコスト平均法】

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ドルコスト平均法では、ボラティリティが高い相場と低い相場どちらが有利だと思いますか?

前回ドルコスト平均法は、下降相場とレンジ相場で有利になると書きました。

今回はレンジ相場について、ボラティリティ別にみていきます。

 

 

この記事はこんな人におすすめ
●レンジ相場でのシミュレーションを知りたい人
●レンジ相場でのドルコスト平均法に疑いがある人
ボラティリティが与える影響を知りたい人
ドルコスト平均法についてもっと知りたい人

検証の条件

今回はボラティリティの異なる下記商品A~Bの3つのレンジ相場を例に考えてみます。
すべてレンジのセンターを20,000円としたレンジ相場です。
このような相場で、レンジの下限と上限で1回30,000円を60回定額積立していく場合を考えてみます。

ボラティリティとは

価格変動の度合いのこと

レンジ相場とは

一定の価格内で動く相場のこと。
高値も安値も更新できず、ヨコヨコの相場。

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検証結果が分かりやすいように、あり得ないほどきれいなチャートにしています

商品A(ボラティリティ低い)

ボラティリティの低いチャート

20,000円を挟んだ、18,000円~22,000円をレンジに動く相場(値幅4,000円)です。

商品B(ボラティリティ普通)

ボラティリティが普通のチャート

20,000円を挟んだ、16,000円~24,000円をレンジに動く相場(値幅8,000円)です。

商品C(ボラティリティ高い)

ボラティリティの高いチャート

20,000円を挟んだ、14,000円~26,000円をレンジに動く相場(値幅12,000円)です。

取得できる口数の比較

まず、購入できる口数について考えてみます。

購入口数の計算方法

購入口数=積立金額÷価格

商品A(ボラティリティ低い)

18,000円~22,000円をレンジに動く相場

  • レンジ下限の18,000円のとき
     積立口数=30,000円÷18,000円=1.67口
  • レンジ上限の22,000円のとき
     積立口数=30,000円÷22,000円=1.36口

合計で3.03口

商品B(ボラティリティ普通)

16,000円~24,000円をレンジに動く相場

  • レンジ下限の16,000円のとき
     積立口数=30,000円÷16,000円=1.88口
  • レンジ上限の24,000円のとき
     積立口数=30,000円÷24,000円=1.25口

合計で3.13口

商品C(ボラティリティ高い)

14,000円~26,000円をレンジに動く相場

  • レンジ下限の14,000円のとき
     積立口数=30,000円÷14,000円=2.14口
  • レンジ上限の26,000円のとき
     積立口数=30,000円÷26,000円=1.15口

合計で3.30口


このように、ボラティリティの高い商品ほど口数が増えます。

商品を購入する度に、下記のグラフのように口数の差が開いていきます。

合計口数

 

平均取得単価の比較

平均取得単価

次に平均取得単価についてみてみます。

平均取得単価の計算方法

平均取得単価=合計投資額(手数料含む)÷保有口数
※ここでは手数料については省きます

例えば、それぞれの商品で上限と下限で商品を2回購入した場合は下記の計算になります。

商品A(ボラティリティ低い)

18,000円~22,000円をレンジに動く相場

  • 平均取得単価=60,000円÷(1.67+1.36口)=19,802円

商品B(ボラティリティ普通)

16,000円~24,000円をレンジに動く相場

  • 平均取得単価=60,000円÷(1.88+1.25口)=19,169円

商品C(ボラティリティ高い)

14,000円~26,000円をレンジに動く相場

  • 平均取得単価=60,000円÷(2.14+1.15口)=18,237円


平均取得単価は安いほど有利です。(安く買えているということです)

ボラティリティが高い商品ほど、取得単価が下がっていることが分かります。
上のグラフのように、取得価額は徐々に平準化されていきます。

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30回くらい積み立てるとかなり取得単価が平準化するね

 

 

評価額と評価損益の比較

評価額

評価額

灰色の塗りつぶしている部分は、合計の投資額です。
この合計投資額より評価額の折れ線が上にあれば、利益が出ています。

口数が増えていくので、評価損益の振れ幅は大きくなっていきます。
ボラティリティが高い商品のほうが、価格が下限になったときの評価額はより低くなります。
しかし逆に価格の上限になったときは、下限のときよりも値幅が大きく、より多くのリターンが出ています。

評価損益

評価損益

評価損益にのみクローズアップすると上のグラフのようになります。

赤いラインが損益が0円です。この赤いラインより上にあると利益がでています。

評価損益の広がりは、上下対称ではなく、利益があるときのほうが値幅は大きいことが分かります。

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利益が出ている時の振れ幅の方が大きい

トータルリターンの比較|レンジの真ん中でも利益が出る

下記の表は60回定額投資で、合計30,000×60回=180万円の投資をしたときの損益です。

商品A(ボラティリティ低い)の下限は18,000円、上限は22,000円、
商品B(ボラティリティ普通)の下限は16,000円、上限は24,000円、
商品C(ボラティリティ高い)の下限は14,000円、上限は26,000円、
レンジの真ん中はすべて20,000円で評価額を計算しています。

  商品A(ボラ低) 商品B(ボラ中) 商品C(ボラ高)
レンジの下限のとき -163,636 -300,000 -415,385
レンジの真ん中のとき 18,182 75,000 178,022
レンジの上限のとき 200,000 450,000 771,429

レンジの上限のとき、ボラティリティが高いときは低いときの3.85倍の利益があります。

しかしレンジの下限のときは、ボラティリティが高いときは低いときの2.5倍の損失に留まっています。

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ボラティリティが高い方が大きなリターンが狙えそう

トータルリターンは下記のようになります。

トータルリターン

  • レンジの下限のとき、すべての商品で損失があります。
  • レンジの真ん中のとき、ボラティリティが低い商品Aは1%とあまりリターンはありません。
    しかしボラティリティが高い商品Cでは9.9%と、十分なリターンがあります。
  • レンジの上限のとき、それぞれの商品でかなりのリターンの差があります。
    ボラティリティが高い商品Cではリターンが42.9%もあります。


このようにボラティリティの高い相場では、リスクは高くなります。
しかし積立を継続していくと、取得単価が平準化され、リスクを抑えてリターンが高くなる可能性は大きくなっていきます。

このようなレンジ相場では、「どこで利益確定するか」ということがより重要になっていきます。

注目したいのは、レンジの真ん中に戻ってきた場合でも利益を出すことができること。
ボラティリティが高ければ高いほど、レンジの真ん中でもリターンを出すことができるのです。

まとめ

今回検証に使った3種類の商品の価格は、日経平均株価を想定しながら設定してみました。
日経平均はバブル期の39,000円を上抜けすることができず、超長期的にはレンジ相場ともいえます。
こういった右肩上がりではないチャートでも、利益を出せるのかどうか少し疑いがありました。

しかし今回検証してみて、レンジ相場では一括よりもドルコスト平均法の方が利益を出せる可能性が高いことを改めて実感できました。

ボラティリティが高いほど、ドルコスト平均法には有利です。
こういった特性を理解しながら、商品を選んでいくのがいいと思います。

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