S&P500の買い増しルール作成の続きです
お断り:チャートから手作業でエクセルに転記して、関数など使っているので、ミスがある可能性もあります。
データに間違いがあったらごめんなさい。違っていても責任はもてません(笑)
- はじめに
- RSIとは
- S&P500で-4%以下の騰落率かつRSIの40%以下、30%以下の出現回数
- S&P500の年間買付回数
- S&P500でRSI40%以下の平均買付額の比較
- S&P500で週足騰落率+RSIルールを適用した場合の成績(★1/19追記)
- S&P500のチャートで確認
- まとめ|S&P500の買い増しルール(RSI条件追加版)
はじめに
引き続き、S&P500の検証をします。
前回はS&P500の騰落率を週足・月足で検証しましたが、チャートを見ているうちに、
RSIの買付条件を追加することで、もっとよい箇所でだけ買えるかも?と思ってきました。
前回の記事を確認したい方はこちら↓
RSIとは
RSI(The Relative Strength Index)とは、日本語訳すると、相対力指数のことです。
一定期間の買い勢力と売り勢力の力関係を見る指標です。
50%以上は買いが優勢、50%以下は買いが優勢です。
期間は「14」(作者のワイルダーさん推奨)、「9」が使われることが多いです。
期間を短くするほど、オシレーターの価格感応度が高くなり、振れ幅が大きくなります。
RSIは逆張り指標として使われることが多い
「70以上で買われすぎ」「30以下で売られすぎ」と判断されることが多いです。
強いトレンドが発生しているときは、上や下に張り付くことが多いので、逆張りのサインとして使うのは難しいです。
私は逆張りより順張りのトレードを好むので、普段RSIを使うことはあまりありません。
しかし、買い増しタイミングを検証するうちに、チャート上で結構騰落率と被る部分があるなと気づきました。
売りが優勢の下降トレンドで買いたいから、RSIが低いとき(50%以下)に買うといいかも?
S&P500で-4%以下の騰落率かつRSIの40%以下、30%以下の出現回数
騰落率-4%以下に加え、RSIの40%以下、30%以下が各年で何回起こったかを調べました。
RSIのパラーメータでよく使われる、「14」と「9」それぞれで調べています。
ワイルダーさんは14推奨ですが、14だと滑らかになり30%や70%をつけることはあまりありません
デフォルトの14も無視するわけにはいかないので、両方で検証してみました。
S&P500で週間騰落率-4%かつRSI(14)の40%以下出現回数
S&P500で週間騰落率-4%かつRSI(9)の40%以下出現回数
RSIの条件を足した場合、RSI(14)もRSI(9)も同様に、
買付回数が多い順に2008年の7回、2009年の6回、2001年の5回となりました。
そこまで大差はありませんが、RSI(9)の方が、初期でよく買われています。
期間が短い9の方が感度か高いからだね
S&P500の年間買付回数
年に平均して何回買い付けることができるか調べました。
年間買付回数もRSI(9)の方が多いことが分かります。
そしてRSI30%以下だと、買付回数がかなり減ります。
やっぱりRSI(9)の方が良さそう
S&P500でRSI40%以下の平均買付額の比較
RSIの期間が「14」と「9」で、それぞれ40%以下と30%以下で買い付けた場合の平均買付額がいくらになるか調べました。
一番買付額が低かったのは、RSI(9)で30%以下の672ドルです。
低迷期の1998年~2002年に8回も買うことができたからです。
次に買付額が低かったのは、RSI(9)で40%以下の921ドルです。
前回の記事の通り、-4%ルールだけだと平均買付額は1,384ドルでした。
RSIの条件を足すことで更に安い価格で買えています。
買付回数はRSI(9)が多く、かつ平均買付額もRSI(9)の方が安いので、
このデータだけ見ると、RSI(9)の40%がいいかなと思いました。
RSI(9)の30%だと回数が少なすぎます。
騰落率-4%以下が前提だから、RSI40%でも十分かな
RSI30%のほうが成績はいいけどね
S&P500で週足騰落率+RSIルールを適用した場合の成績(★1/19追記)
下落したときの買い増し金額を1000ドルとし、評価額は2021年の終値4766.1ドルの場合、各ルールで評価損益がどうなったかを調べたのが下記の表です。
※平時の定額買付は含まず、スポット購入のみの成績
※S&P500指数を直接買えると仮定し、単位はドルとします。
※信託報酬などは考慮してません。参考程度でご覧ください。
買付回数 | 総投資額 | 口数 | 平均買付額 | 評価金額 | 利益 | 評価損益率(%) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
RSI14(40%以下) | 34 | 34,000 | 31.49 | 1,245 | 150,061 | 116,061 | 341.36 |
RSI14(30%以下) | 14 | 14,000 | 15.06 | 1,009 | 71,797 | 57,797 | 412.84 |
RSI9(40%以下) | 46 | 46,000 | 41.01 | 921 | 195,445 | 149,445 | 324.88 |
RSI9(30%以下) | 21 | 21,000 | 19.86 | 672 | 94,664 | 73,664 | 350.78 |
平均買付額はRSI(30%以下)の方が良かったのですが、利益はRSI9(40%以下)が一番高く、RSI14(40%以下)が二番目でした。
安く買うより、「最安でなくても買えたかどうか」が重要なようです。
S&P500のチャートで確認
実際にどんなところで買えているのかチャートで確認してみます。
上記は、1段目にS&P500の週足のラインチャート、2段目に騰落率、3段目にRSIを表示させたものです。
1段目:S&P500チャート
「騰落率が-4%~-5%」かつ「RSI(9)が40%以下」→黄色
「騰落率が-5%~-10%」かつ「RSI(9)が40%以下」→薄紫色
「騰落率が-10%以下」かつ「RSI(9)が40%以下」→赤色
2段目:騰落率
「騰落率が-4%~-5%」→黄色
「騰落率が-5%~-10%」→薄紫色
「騰落率が-10%以下」→赤色
3段目:RSI
「RSIが40%以下」→水色
要するに、2段目と3段目の両方の条件に一致した場合に、背景色に色をつけているのが1段目です。
RSIを追加することで、上昇トレンド時の小さな押し目(急騰した後の利確や調整の下げ)の買付がかなり減っていることが分かります。(赤囲み部分)
一方、数年単位で下がっているような下げトレンド時の下限できっちり買えているように思います。(緑囲み部分)
上昇トレンド中に小さな押し目で買っていくより、下降トレンド中に買い下がる方が良さそう
まとめ|S&P500の買い増しルール(RSI条件追加版)
検証してみて、RSIを追加することで、より買い増しタイミングが洗練されると感じました。
→より安値で買えますが、買い付ける回数が減るので、細かく買いたいという人は騰落率のみ、まとめて買いたい場合はRSIを追加するのもありかも?
正直悩ましいです。(★1/19追記)
週足騰落率-4%+RSI(9)40%ルール
今回の検証の結論です。
月足については未検証なので、週足のルールです。
タイミング:「週足で-4%以下騰落率」で「RSI期間9が40%以下」のとき
想定購入回数:1年あたり1.9回
いくら入れるかは他に積み立てている投資信託との兼ね合いがありますので、
他の指数を検証して購入金額を考えたいと思います。
最終的なルールは、他の指数を検証して変えるかもしれません。
次回は最強指数ナスダックを予定しています。
米国株式なので、S&P500と同じようになるでしょうか?…お楽しみに!