岸田首相の資産
時事通信によると、岸田首相は有価証券を保有していません。
岸田氏は、東京都渋谷区、地元の広島市などに土地・建物を所有し、不動産総額は3983万円で総資産の大半を占めた。金融資産は定期預金1000万円だけで、有価証券や株式は保有していない。
第1次岸田内閣 閣僚の資産
NHKのサイトからデータをまとめました。
株式の所有枚数順にしています。
資産1億以上、株式銘柄数が10以上、株式数が10万以上にアンダーラインを引きました。
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資産(円) |
株式銘柄数 |
株式数 |
堀内ワクチン接種担当大臣 |
172,970,000 |
7 |
708,148 |
茂木幹事長 |
83,390,000 |
7 |
358,772 |
金子農林水産大臣 |
76,590,000 |
27 |
285,366 |
二之湯国家公安委員長 |
60,970,000 |
7 |
43,400 |
山口環境大臣 |
13,910,000 |
4 |
36,210 |
斉藤国土交通大臣 |
240,470,000 |
35 |
33,425 |
鈴木財務大臣 |
98,343,000 |
1 |
33,300 |
野田少子化担当大臣 |
285,530,000 |
10 |
18,843 |
岸防衛大臣 |
236,770,000 |
13 |
18,617 |
末松文部科学大臣 |
58,700,000 |
7 |
11,748 |
山際経済再生担当大臣 |
119,030,000 |
10 |
11,710 |
後藤厚生労働大臣 |
110,260,000 |
4 |
3,500 |
金子総務大臣 |
8,070,000 |
1 |
2,000 |
西銘復興大臣 |
53,250,000 |
4 |
1,374 |
古川法務大臣 |
14,180,000 |
2 |
600 |
岸田総理大臣 |
208,680,000 |
0 |
0 |
萩生田経済産業大臣 |
21,310,000 |
0 |
0 |
松野官房長官 |
28,150,000 |
0 |
0 |
牧島デジタル大臣 |
0 |
0 |
0 |
小林経済安全保障担当大臣 |
44,640,000 |
0 |
0 |
若宮万博担当大臣 |
47,330,000 |
0 |
0 |
5千万円以上の資産を持ちながら、株式を保有していないのは岸田首相のみですね。
なぜ議員の資産が公開されるのか
資産公開は「政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律」に基づいて行われます。
この法律は1993年(平成5年)から施行されました。
この法律の目的は、国会議員の資産の状況を国民の監視の下におくことで、政治倫理の確立、民主政治の健全な発達に役立てることです。
作られた背景には、リクルート事件、佐川急便事件など政治とカネの問題があります。
資産等報告書の抜け道
資産等報告書で公開される内容
資産等報告書で公開する内容を、「e-Gov法令検索」よりまとめました。
- 土地(信託している土地(自己が帰属権利者であるものに限る)を含む)
- 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権
- 建物
所在、床面積及び固定資産税の課税標準額並びに相続により取得した場合は、その旨
- 預金(当座預金及び普通預金を除く)及び貯金(普通貯金を除く)
預金及び貯金の額
- 有価証券
種類及び種類ごとの額面金額の総額(株券(株券が発行されていない場合にあっては、株券が発行されていたとすれば当該株券に表示されるべき権利を含む。)にあっては、株式の銘柄及び株数)
- 自動車、船舶、航空機及び美術工芸品種類及び数量
取得価額が百万円を超えるものに限る
- ゴルフ場の利用に関する権利
- 貸付金(生計を一にする親族に対するものを除く) 貸付金の額
- 借入金(生計を一にする親族からのものを除く) 借入金の額
普通預貯金が含まれない
預貯金について、あれ?と思いました。
「4.預金及び貯金」のカッコ内にご注目ください。
「預金(当座預金及び普通預金を除く)及び貯金(普通貯金を除く)」。
ここで預金と貯金の違いを整理します。
預金と貯金の違い
どこにお金を預けるからで呼び名が変わる
預金:銀行(ネットバンクも含む)、信用金庫、信用組合、労働金庫、信託銀行など
貯金:ゆうちょ銀行、JAバンク、JAマリンバンクなど
預貯金どちらも「普通預金は除く」とありますね。
ということで、なんと普通預貯金は公開されていないのです。
公開しているのは定期預貯金だけなんですね。
普通預金は流動性が高く主に生活費として使い、定期貯金は「貯める」ために使うだろうから、定期預金の資産公開でいいと思ったんでしょうか。
超低金利の現在、定期預金に預ける人なんて限られると思いますが…。
株式は保有銘柄と枚数だけ
次に「5.有価証券」についてです。
有価証券に含まれるものは以下のものがあります。
「株券(株券が発行されていない場合にあっては、株券が発行されていたとすれば当該株券に表示されるべき権利を含む。)にあっては、株式の銘柄及び株数」とあります。
株式で公開されるのは銘柄と枚数だけです。
取得価格も時価評価額の公開もありません。
株式の保有がある議員は、実際の資産額は間違いなくもっと多くなります。
また暗号資産は有価証券に該当しないようです。
資産報告書はネットでは見れない
さて、保有銘柄など資産報告書の細かい内容が見たくてソースを見たくて検索してみました。
しかしなんと資産報告書はネットでは見れないということが分かりました。
どこで見られるかというと、永田町です。
東京都千代田区永田町にある、衆議院第一議員会館地下1階 資産等報告書等閲覧室に直接行かねばならないのです。
しかも土日祝日は閲覧できません。
見たいという方は衆議院の「衆議院議員の資産等報告書等の閲覧(資産公開)案内」のページで行き方を見てください。
まとめ
公開された内容から、所持銘柄などを見ていろいろ書こうと思っていましたが、ネットから情報が見れないということで何もできませんでした。
それ以前に、抜け道があると考えたらこの中で誰が資産が多いとか考えるのも無駄な気がしてきました。
私が一番見たかったのは、株式を保有してなかった議員が、他の有価証券の保有はどうだったのかということなんです。
NHKの記事では株式の有無が分かってもその辺が分かりませんでした。
投資信託は株式銘柄には含まれないでしょうから、実は投資信託とかしてる可能性もあるのでは、と思ったわけです。
そのために詳細な情報が見たかったのですが、、、永田町から遠く離れた田舎に住んでいるのでちょっと難しいです(笑)
別に政治家の資産が多いか少ないかなんて興味はありません。
政治家の資産が多くてけしからん、なんて思いません。
ただ、投資の有無には大いに興味があります。
岸田首相については、時事通信の記事で「金融資産は定期預金1000万円だけで、有価証券や株式は保有していない」とありますので、そこだけは確かでしょう。
金融資産が預貯金のみの人が、株価に興味あるわけないですね。
投資への理解も低いでしょうね。
だから金融所得課税の引き上げなんてことが簡単に言えるんだと、私は思います。