2015年から6年間トルコ円を持ち続けた者の末路をご覧下さい
トルコリラ円を6年間持ち続けた結果
結果からご報告します。
トルコリラ円に関しては、スワップポイント目的で所持したというより、為替差益を狙って軽い気持ちでトレードしたところ、含み損になってしまい「いつか戻るだろう」という気持ちで放置していました。
持っているポジション(建玉)
1万通貨ずつ、2回購入しています。
2015年6-7月 合計建玉:2万通貨
平均取得レート:46円
結果(グラフは24日作成)
累計スワップ282,563円、為替差損益-717,200円、
評価損益は-434,637円です。
スワップがこの2倍あったとしても負けてます。
誤算はボラティリティを甘く見ていたこと
2021年11月27日現在、トルコ円9.2円となっています。
つまり私が46円で買ったときから、80%引きです!8割引き。あらお安い!
1-(9.2÷46)×100=80%
上のグラフはトルコリラ円の月足チャートです。
46円のトルコ円を握り続けている人はまだいるのでしょうか?
レバレッジかける人が多いと思うので、ほとんどの人は強制退場になっているでしょう。
2008年頃は90円前後だったけですから、私が買った2015年の46円というのはすでに半値になっていたわけです。
そこから更に半値下がる可能性を予想できなかったというのは言い訳にはなりませんね。
今後の予定
ホールドです。損切とかいうレベルじゃないので(笑)
ちなみに参考までに現在のロングポジションのスワップポイントは5円です。
ショートポジションは-35円です。
※業者や、日によっても変動します。
いつになったらトントンになるでしょうか。
トルコがデフォルトしないことを祈ります。
トルコリラの見通し
ここからがある意味本番です。
超手痛い塩漬け含み損を今後に生かすべく、トルコリラについて見通しを考えてみました。
拙いですが、最後まで読んで頂けるとうれしいです。
高金利通貨は果たして買いなのか
トルコの政策金利の推移
上記の赤い折れ線は、トルコの政策金利です。
※直近は利下げで騒がれています
トルコのインフレが続いている
先ほどのグラフの青い折れ線は、トルコの消費者物価指数(CPI)です。
消費者物価指数(CPI)は上昇し続けています。
インフレ(物価上昇)が続いている、ということは、お金の価値が下がっているということ。
インフレが続くと、教科書的には政策金利が引き上げられます。(金融引き締め)
高金利通貨である=インフレしている=通貨の価値が下落しているということです。
つまり通貨の価値が下がり、リラが下落し続ける恐れがあります。
いくらスワップポイントが貯まっても、為替差益でマイナスになる可能性が高いということです。
実質金利で考える
下記グラフは、政策金利から消費者物価指数(CPI)を引いたものです。
上記のグラフからわかるように、トルコは名目金利は高いですが、物価の上昇率が高いため、実質金利はさほど高くありません。
2021年8月から実質金利はマイナスになっています。
直近2021年10月にはマイナス3.89%になっています。
これではリラ高は期待できませんね。
トルコの政治リスク
高金利通貨はインフレリスクの他に、政治、地政学的リスクがあります。
2018年6月のエルドアン大統領再選からのニュースをピックアップしてみました。
- 2018年6月24日 エルドアン大統領再選(2024年までの任期)
- 2018年8月 トルコ・ショック
トルコ在住の米国人牧師の拘束問題をめぐってトルコと米国の対立が激化し、トランプ米政権はトルコへの制裁を発動。
→トルコリラは8月10日、一時前日比約20%急落し、過去最安値を更新 - 2020年11月 ナージ・アーバル総裁が就任
アーバル総裁は就任後、インフレ対策として金融引き締めを推進する。
主要政策金利を10.25%から段階的に引き上げ、2021年3月18日には年19%にすることを決定。
→リラ上昇基調に転じる - 2021年3月20日 アーバル中央銀行総裁を在任期間約5カ月で解任
後任に利下げ支持派のシャハプ・カブジュオール氏を起用
→対ドルで一時15%の下落 - 2021年10月14日 利下げに否定的とされる決定会合メンバー(トルコ中央銀行のテュメン前副総裁含む)が更迭
- 2021年10月21日 高インフレが続く中、政策金利を18%から16%へ大幅に引き下げ
- 2021年10月25日 エルドアン大統領が慈善活動家オスマン・カワラ氏の釈放を求めた欧米10カ国の大使追放を示唆
- 2021年11月22日 エルドアン大統領の記者会見
・金融政策を引き締めてもインフレは低下しない。
・追加利下げが適切との考え。
→2021年11月23日 対ドルで15%下落し最安値を付ける - 2021年11月26日 トルコ国民が高金利によって「踏みにじられる」ことは許されないとし、低金利を維持する姿勢を強める
→トルコリラは4%下落。 - 2023年6月までに大統領選挙が実施される見込み
大統領は政策への不満から、過去2年半で中銀総裁を3回も替えています。
カブジュオール氏についても利下げの判断が遅い!ということで不満を抱いているようで、4回目も総裁交代もあるかもしれません。
こんな大統領が独裁の国の通貨を安心して買うことができるでしょうか…
大統領が経済音痴
トルコの政策金利と消費者物価指数(CPI)の推移のグラフをもう一度見てみます。
政策金利と消費者物価指数(CPI)はおおむね同じような形になっています。
しかし直近を見てみると、CPIは上昇しているのに、政策金利がガクンと下がっています。
インフレが続くと、教科書的には政策金利を引き上げて金融引き締めを行うのがセオリーですが、エルドアン大統領はそれを無視して利下げをしているのです。
通貨の価値を下げて、インフレが止まるわけがありません。
ちょっと何言ってるかわからないんだけど
エルドアン大統領は、利上げを悪としているみたい。 利上げすると、「国民が簡単にお金が借りられなくなる=国民が苦しむ」と思ってるんじゃないかな…知らんけど
利下げすると、更に物価が上がって国民が苦しむと私は思うのですが…
トルコ経済は大丈夫か?
通貨安(自国通貨の価値が下がる)→輸出に有利、輸入に不利
自国通貨安のトルコは、輸入に不利になります。
トルコはエネルギー資源に乏しく、輸入に頼っています。
原油などを輸入物価が上昇すると、インフレ率が更に上昇することになるでしょう。
直近の原油高が、トルコのインフレ率を押し上げる原因にもなっていると思います。
まとめ
トルコリラ円をスワップポイント目的に所持するのはナシだと思います。
やはりスワップポイント目的に高金利通貨を買うことは間違いであったと思います。
このような失敗をした原因は以下です。
- 勉強不足
本1冊読んだだけでスワップポイントの投資を始めたこと。 - 出口戦略がなかった
下落した場合の対応が、「放置」しかなかった。ロスカットラインを設定するべきだった。 - いつか戻るだろうという楽観思考
高金利通貨において、いつか戻るだろうという思考は危険でした。
同じくらいの強弱の通貨ペアなら許されたかもしれません。(甘いか)
スワップポイント目的の投資は、素人にはおすすめしません。
短期所持目的のポジションを損切出来なかったとき、
「スワップポイントがつくから~」と長期目線に切り替えるのはただの逃げです
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