4月28日の金融政策決定会合が開催され、ドル円が一時131円を付けるまでに円安方向に動きました。
今回は金融政策決定会合で決まったこと、現在の日本の国債利回り、日米金利差をチャートを使って確認していきたいと思います。
金融政策決定会合の金融政策まとめ
4月28日の金融政策決定会合で決まった金融政策について、日銀のHPからまとめました。
前回3月18日とほぼほぼ変わっていません。
変わったのが、下記「②連続指し値オペ運用の明確化」(赤字)です。
イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)
①次回の金融政策決定会合までの金融市場調整方針
②連続指し値オペ運用の明確化
上記の金融市場調整方針の実現のため、10年物国債金利について0.25%の利回りでの指し値オペを毎営業日実施する。
国債を0.25%の利回りで無制限に買い入れるということです
資産買い入れ方針
長期国債以外の資産の買い入れについては下記の通りです。
2%の「物価安定目標」の実現を目指す
- 2%の「物価安定目標」の実現を目指し、安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き・質的金融緩和」を継続する。
- マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続する。
- 感染症の影響に注視し、企業の資金繰り視線と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要とあれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。
現在CPIコア(消費者物価指数)は0.8%です。全然ですね。
連続指し値オペの運用について
- 指値オペの毎営業日オファー
→5月2日以降、明らかに応札が見込まれない場合を除き、指し値オペを毎営業日オファーする。
利回りが0.25%になるように、無制限で買い入れを行う。 - 長期国債の買い入れ(利回り・価格入札方式)の買い入れ金額の増額
指し値オペ、無限買入編!
まとめると下記のようになります。
日銀の政策は一貫している。やはりインフレ2%達成までは金融緩和するんだ
ゆがみねぇ!
現在の日本国債の利回り比較
上記は2年物、5年物、10年物、30年物の日本国債の利回りチャートです。
日本国債2年物利回り(赤色)、日本国債5年物利回り(オレンジ色)、日本国債10年物利回り(青色)、日本国債30年物利回り(緑色)を表示させました。
(チャートはTradingviewより、4月28日時点)
イールドカーブコントロールの数値に黒い水平線を引いています。
2016年9月21日の金融政策決定会合で「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入が決定してから、長短金利がコントロールされています。
直近の2月、3月、4月に0.25%を突破した瞬間もありますが、指し値オペにより金利が抑え込まれていることが分かります。
日米金利差とドル円相場は連動する
上記は米国10年債利回りから日本10年債利回りを引いたチャート(灰色)と、ドル円チャート(赤色)を表示させたものです。
(チャートはTradingviewより、4月28日時点)
まとめ
一旦保ち合いになっていたドル円相場ですが、日銀の金融政策決定会合で大きく動きました。
日銀の金融政策に変更がないこと、また毎日指し値オペをするのを明確化したことが影響を与えたようです。
0.25%の変動幅を広げてくるんじゃないかと一部で囁かれていましたが、まったくそんなことはなく、寧ろ無限指し値オペで金利の上昇を絶対に抑え込みます、という結果でした。
ファンダメンタルズ的にはドル円の上昇が保証されました。
ですがFXをしている方は、5月3~4日にはFOMCがあるので注意が必要です。
米国のインフレのピークアウトという言葉を最近よく聞くようになったので、注意したいと思います。
もしインフレがピークアウトしたから利上げ幅を抑えるような発言があれば、ドル安に繋がります。
米国の利上げは「インフレ退治」だということを忘れないように
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