3月のFOMCが終わりましたので、アメリカ経済の現状をまとめてみます。
ドットチャートと、消費者物価指数(CPI)とISM製造業景気指数についてもグラフにしてみました。
ドットチャート
2022年3月FOMC公表のドットチャート
上記は2022年3月のFOMCで発表されたドットチャートです。(ロイターより)
2022年年末時点で1.75%から2%の政策金利が適切と考えたメンバーが16人中5人います。
3.00-3.25%が適切だという超タカ派な人が1人いますね。
2023年、2024年になるとかなり意見のばらつきがあるようです。
長期的には、おおむね2.25-2.75%くらいを適当だという考えで一致しているようです。
政策金利(FFレート)予想を過去と比較
政策金利予想レンジの中央値を、過去3回分のドットチャートの中央値からまとめたのが上記グラフです。
前回2021年12月のFOMCでは、下記のように予想されていました。
(政策金利を0.25%ずつ利上げすると想定)
※考え方(計算方法)が違っていたら申し訳ないです。。
- 2022年は(0.875-0.125)÷0.25=3で3回の利上げ
- 2023年は(1.625-0.875)÷0.25=3で3回の利上げ
- 長期では(2.5-2.215)÷0.25=1.14で1回の利上げ
それが今回2022年3月のFOMCでは、政策金利は下記のように予想されました。
- 2022年は(1.875-0.25)÷0.25=3で6.5回の利上げ
- 2023年は(2.75-1.875)÷0.25=3で3.5回の利上げ
- 2024年は 2.75-2.75で0回の利上げ
- 長期では(2.375-2.75)÷0.25=1.14で1.5回の利下げ
2022年末の0.875%の利上げ予測が、1.875%の利上げ予想と、1%(4回分)も増えたわけですから、かなりのタカ派だということが分かります。
しかし2024年は2.75%と、2023年と変わりません。
つまり利上げの前倒しが適切だとみられているようです。
長期では2.375%と、利下げが予測されています。
長期的にはインフレが収まると予想されているということでしょうか。
政策金利の推移
1996年からの政策金利をグラフにしました。
2020年の3月から0.25%が続いていましたが、やっと3月に0.5%に利上げとなりました。
政策金利が5%以上の時期もあったんだなぁ
米国重要指標
米国の重要指標の推移も載せておきます。
米国CPI(消費者物価指数)
1996年からの米国CPI(消費者物価指数)です。
2月のCPIは7.9%でした。
1982年1月以来、40年ぶりの高さということです。
資源高、ウクライナ戦争により、インフレがとんでもないことに。
さすがに物価が上がりすぎでしょう
米国ISM製造業景気指数
2月の製造業景気指数は58.6%でした。
2021年3月の64.7%がピークで、このまま下がっていく可能性もありますが、50%以上で高い位置にあります。
ISM製造業景気指数とは、ISM(Institute for Supply Management)が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す指標。
数値が50%を上回れば景気拡大、50%を下回れば景気後退と判断される。
まとめ
ISM製造業景気指数からそんなに心配するところではない気もしますが、インフレとウクライナ戦争がリスクです。
物価は金融緩和とウクライナ戦争で天井知らずの上昇です。
政策金利は粛々と上げないといけないですよね。というか上げざるを得ないですね。
株価に犠牲はあるのでしょうが…
雇用統計については、再来週の発表後にまとめます