経済ニュースでしばしばFOMCやFRBといった言葉を耳にすることがあります。
具体的に何なのか、FOMCのスケジュールや内容についても簡単にまとめてみました。
FRB(連邦準備理事会)
FRBとは
FRB(The Federal Reserve Board)とは、連邦準備(制度)理事会のことです。
米国の中央銀行です。
7名のFRB理事で構成されており、現在のFRB議長は2018年2月にパウエル氏が就任しました。
FRBの目的
「物価の安定」と「雇用の最大化」の2つが最大の任務です。
景気の過熱によるインフレが加速しない範囲で、米国の雇用を増やすことが目的です。
FOMC(連邦公開市場委員会)
FOMCとは
FOMC(Federal Open Market Committee)とは、連邦公開市場委員会のことです。
FRB理事7名と地区連銀総裁12名が、米国の金融政策を決定する会合です。
ニューヨーク連銀が、フェデラルファンド市場で公開市場操作を行い、FOMCで決められた目標水準にFFレート(政策金利)を誘導します。
FOMCの議長はFRB議長、副議長はニューヨーク地区連銀総裁が務めます。
FOMCは1月、3月、4月、6月、7月、9月、11月、12月の年8回開催されます。
FOMCの2022年の開催日程
2022年の開催日程は以下の通りです。
すべて火曜日、水曜日です。
- 1月25日、26日
- 3月15日、16日(ドットチャートあり)
- 5月3日、4日
- 6月14日、 15日(ドットチャートあり)
- 7月26日、 27日
- 9月20日、21日(ドットチャートあり)
- 11月1日、2日
- 12月13日、14日(ドットチャートあり)
3月、6月、9月、12月にはドットチャート(後述)の公表があります。
FOMCの流れ(スケジュール)
①政策発表
日本時間午前3時開始されます。
午前3時為替が動くので注意!
②声明文(ステートメント)
FOMCは会議終了後、景気や物価の認識など、金融政策の方針を記した声明文を発表します。
声明文の変化で将来の政策変更を予想できます。
③ドットチャート(経済見通し)
ドットチャートとは、3月、6月、9月、12月開催のFOMCで示される、FOMCメンバーの政策金利(FFレート)予測分布を示すチャートです。
翌3年の年末のおける政策金利の予想を行います。
参加メンバーが将来の金利をどう考えているかが分かります。
利上げ開始時期や回数を予測できます。
例えば上記は2022年3月のFOMCで発表されたドットチャートです。(ロイターより)
上記のドットチャートから分かることは以下のようになります。
- 2022年末には政策金利が、中間値で1.875%になると予想されている
- 2023年末、2024年末には政策金利が、中間値で2.750%になると予想されている
- 長期的には政策金利が、中間値で2.375%になると予想されている
- 各メンバーが具体的に何%になると予想しているかはドットの位置を見れば分かる
2022年末の場合は、1.375%に1人、1.625%に3人、1.875%に5人、2.125%に2人、2.375%に3人、2.625%に1人、3.125%に1人予想している人がいる。
④パウエル議長記者会見
日本時間午前3時半開始されます。
会合の決定事項に関する説明の後、記者からの質疑応答が行われます。
パウエルさん発言の午前3時半にも為替が動くので注意!
⑤議事要旨(ミニッツ)
FOMCの3週間後に発表されます。
声明文や記者会見では分からなかった、各委員の意見が示されており、市場が大きく反応することがあります。
ハト派・タカ派とは?
FOMCのニュースなどで、ハト派やタカ派と言った言葉をよく耳にしますが、何を意味しているのでしょうか?
インフレ抑制に躍起になっている今は、「タカ派」といった見出しをよく耳にするようになりました。
インフレが酷すぎてタカ派にならざるを得ない感じですね
まとめ
金利がどうなるかで為替や株価や国債に影響してくるので、長期投資家にもFOMCは重要です。
短期や中期(スイングトレードなど)で投資を行う場合にも、FOMCの時期にはかなり注意が必要だと思います。
FOMC前や議事要旨公開前には、投資の手控えで取引量が減ったり、逆にFOMC後はボラリティリティが高くなることがあるからです。
後から何が起こった!?と思わなくていいように、日程はしっかりチェックしておきたいですね。