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【金利の基礎知識】金利の種類と金融市場のしくみ【経済の体温】

金利の種類と金融市場のしくみ

金利は景気、物価、為替に強く影響を及ぼします。

今回は、固定金利と変動金利短期金利長期金利についてまとめました。

この記事はこんな人におすすめ
金利の基本知識を知りたい
●固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきか知りたい
短期金利長期金利の違いについて知りたい

 

 

 

金利の基本

金利とは

金利とはお金の貸借料のことです。

貸した人は金利を受け取る

銀行に預けたり、金融商品に投資した金額は、「元本」といいます。

元本に対して、受け取る金利が発生します。

借りた人は金利を支払う

住宅ローンやカードローンで借りた金額は、「元金」といいます。

元金に対して、支払う金利が発生します。

固定金利と変動金利

固定金利

固定金利はその名の通り固定された金利で、最後まで金利が変わりません。

固定金利10年物国債の流通利回りが影響します。

変動金利

変動金利は一定期間ごとに金利が見直されます。

変動金利は日銀の政策金利が影響します。

固定金利と変動金利どちらが有利か

金利の動向で固定金利と変動金利どちらが有利かは変わります。

今後金利上昇が見込まれる場合は変動金利金利低下が見込まれる場合は固定金利が有利です。

 

●今後金利が上がりそうなとき

  固定金利 変動金利
金融商品〈貸す〉 不利
金利上昇のうまみを受けられない
有利
金利上昇に伴い利息が増える
住宅ローン〈借りる〉 有利
金利上昇しても低い借り入れ金利のまま固定される
不利
金利上昇に伴い返済金額が増える

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金利が上がると変動金利でお金を借りていると辛いな…

●今後、金利が下がりそうなとき

  変動金利 変動金利
金融商品〈貸す〉 有利
金利低下にもかかわらず、高い金利のまま固定される
 不利
金利低下に伴い利息が減る
住宅ローン〈借りる〉 不利
金利低下にもかかわらず、高い金利を払い続ける
有利
金利低下に伴い借入金利も下がる

妻アイコン

将来金利がどうなるか予想することが大事になってくるね

 

期間の長さで金利が変わる

金利は期間の長さで変わり、一般的に借入期間(預入期間)の長い方が金利が高くなります。

貸す(預ける)期間が長いほどリスクが増すので、金利が高く設定されているんですね。

金融市場でも通常、期間が長いほど金利が高くなります。

順イールドといい、次回説明します。

 

 

金利の金融市場

短期と長期の金融市場

金融市場は、取引期間の長さによって、短期金融市場と長期金融市場に分かれます。

短期金融市場

一般的には期間が1年未満の金融資産の取引が行われる市場です。

期間1年未満の金利短期金利といいます。

長期金融市場

一般的には期間が1年以上の金融資産の取引が行われる市場です。

期間1年以上の金利長期金利といいます。

短期金利

短期金利政策金利で決まる

短期金利政策金利の影響を大きく受けます。

日銀は金融市場に対して、公開市場操作を行います。

公開市場操作とは、短期金利の指標金利無担保コール翌日物金利)を、政策金利の水準に誘導することです。

政策金利を引き上げることを利上げ、引き下げることを利下げといいます。

日銀の金融政策

日銀は下記のように金融政策を行います。

景気が良いとき→政策金利を上げて(金融引き締め)通貨供給量を減らす
景気が悪いとき→政策金利を下げて(金融緩和)通貨供給量を増やす

長期金利

長期金利は債券が中心

長期金利は債券が中心です。

債券とは、国や企業が、期間や利率を決めて投資家から資金を調達するために発行するものです。

債券市場は、発行市場(プライマリー市場)流通市場(セカンダリー市場)の2つに分かれます。

 

●発行市場(プライマリー市場)

国や企業などの発行体が新しく債券を発行する市場です。

新しく発行された債券を、新発債(しんぱつさい)といいます。

新発債は発行価格にて取引されます。

 

●流通市場(セカンダリー市場)

既に発行された債券を売買する市場です。

既に発行された債券は、既発債(きはつさい)といいます。

既発債は時価にて取引されます。

長期金利の指標

長期国債の指標で最も重要なのが、「新発10年物国債の流通利回り」です。

長期金利」とは、一般的に「新発10年物国債の流通利回り」を指します。

流通利回り」とは、流通市場で債券を購入し満期まで保有した場合の1年あたりの利回りのことです。

長期金利の動向が、国債社債の発行条件、銀行の貸出金利、住宅ローン金利など、さまざまな金利に影響を及ぼします。

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住宅購入を考えている人は、今後の景気の行方や長期金利に注目する必要があるね

 

債券価格と流通利回りの関係

一番混乱しやすいところですが、債券価格と流通利回りは正反対の関係になります。

流通市場(セカンダリー市場)での債券価格が上下することで、流通利回りが変化します。

債券価格が下がると、流通利回りは上がります。

逆に債券価格が上がると、流通利回りは下がります。

買う人の方が多い→債券価格上昇流通利回り低下
売る人の方が多い→債券価格下落流通利回り上昇

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ニュースで「10年債利回りが上昇」って言っているときは、10年債の価格が下落しているってことか

 

長期金利は将来の見通しで決まる

長期金利短期金利の影響も受けますが、それ以上に物価の変動、将来の景気などの長期的な予想で変動します。

 

●今後インフレが起こらないと予想される場合

インフレが起こらないので金利が上がらない
→新発10年物国債が人気で価格が上昇→価利回り低下

物価が安定して金利が変わらないということは、長期金利のほうがお得です。


●今後インフレが予想される場合

インフレが進行して金利が上がる
→新発10年物国債が不人気で価格が下落→利回り上昇

インフレする場合は、金利が引き上げられるので、短期の商品に人気が集まります。

まとめ|経済の体温

金利の基本を知っていると、実際の金融商品や固定金利や変動金利を選ぶ際に有利な方を選ぶことができます。

金利動向を読むことで、将来の経済動向がどうなるか予想することもできます。

また、あり得ない利率の金融詐欺に合うことも減るのではないかと思います。

投資をする上でも最も大事なことの一つだと思うので、しっかり押さえておきたいと思います。