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【金融政策決定会合】YCC撤廃・マイナス金利解除でも緩和的な金融環境継続(2024年3月19日)

YCC撤廃・マイナス金利解除でも緩和的な金融環境継続

2024年3月19日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃と、マイナス金利が解除されました。

今回は金融政策決定会合で変わったこと、日本の国債利回り推移、日米金利差とドル円の見通しをチャートを使って確認していきたいと思います。

この記事でこんなことが分かります
金融政策決定会合で変わったこと
●日本のイールドカーブ・コントロールについて
●これまでの日本の長短金利
●日米金利差とドル円の関係

 

 

日本のイールドカーブ・コントロール(YCC)

まずはおさらいです。ご存じの方は飛ばしてください。

イールドカーブについては下の記事をご覧ください。

順イールド、逆イールド、フラットイールドについて簡単に説明しています。

日本は2016年9月から、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入していました。

主な内容は、1つ目が「イールドカーブ・コントロール」で、2つ目が「オーバーシュート型コミットメント」です。

イールドカーブ・コントロール

イールドカーブ・コントロールとは、短期金利政策金利)に加えて長期金利を操作することで、長短金利差を一定の範囲にとどめるのが狙いです。

政策金利短期金利)はマイナス0.1%長期金利の目標は1.0%程度を目標に、長期国債の買い入れを行います。(2023年10月)

オーバーシュート型コミットメント

オーバーシュート型コミットメントとは、消費者物価指数が安定的に2%を超える(オーバーシュートする)まで、マネタリーベース(資金供給量)の拡大の継続を公約(コミットメント)する、日銀の強い姿勢を示しています。

2024年3月の金融政策決定会合で決まったこと

政策金利短期金利)の引き上げ

マイナス金利を解除し、政策金利短期金利)を次のように引き上げることを決定しました。(賛成7人、反対2人)

政策金利短期金利

無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す

今後の利上げについては、金利を引き上げるペースは経済物価の見通し次第で、現在の見通しを前提にすると、急激な上昇というのは避けられるとみていると述べました。

長期国債の買い入れ継続

長期国債の買い入れは、これまでと同程度の金額で長期国債の買い入れを継続するとしました。(賛成8人、反対1人)

長期国債の買い入れ

これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する。
長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。

イールドカーブ・コントロールの枠組みを撤廃する一方、市場で不連続性が生じないように国債買い入れは継続するとしました。

長期金利の変動許容幅は、2016年9月年にイールドカーブ・コントロールが導入されてから下記のように複数回拡大されていました。

  変動許容幅
2016年9月 ±0.1%
2018年7月 ±0.2%
2021年3月 ±0.25%
2022年12月 ±0.5%
2023年10月 ±1.0%

 

長期金利の上昇を止める方法として、利回りを指定して国債を買い入れる「指し値オペ公開市場操作」を導入しています。

指し値オペとは

日銀があらかじめ決まった利回りで、金融機関から国債を無制限に買い入れる、公開市場操作のこと。
指し値オペは、金利の上昇を抑えることを目的に行われる。

国債以外の資産買い入れを終了

上場投資信託ETF)、およびJ-REIT新規買い入れを終了しました。(全員一致)

長期国債以外の資産の買入れ

ETFおよびJ-REITについて、新規の買入れを終了する。
②CP等および社債等について、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了する。 

ETFの売却を含めた処分については、「どうすべきかは常に考えていると申し上げて良いと思う。具体的に、いつからどういうふうに処分を始めるかという点は、現在、確たることは申し上げられない」と述べています。

日銀の声明文

  • 賃金と物価の好循環を確認し、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」
  • 「これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策は、その役割を果たした」
  • 「引き続き2%の「物価安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する1」
  • 当面、緩和的な金融環境が継続する

緩和的な金融環境は、物価上昇率が2%下回っている間は続くようです。

日本の短期金利長期金利の推移

短期金利と長期金利の推移

短期金利長期金利の推移を、長期金利の変動許容幅とともにまとめたのが上記のチャートです。

青が長期金利(10年債利回り)赤が短期金利(2年債利回り)です。

長期金利の変動許容幅は背景に薄い青色を付けました。

 

2023年10月の金融政策決定会合長期金利の変動幅が±1.0%に拡大されてから、10年債利回り(長期金利)は1%以内で推移しています。

2年国債利回り短期金利)はYCC撤廃が徐々に織り込まれ、2024年に入って上昇しています。

 

 

日本の消費者物価指数(CPI)

日本の消費者物価指数(CPI)

日銀は、消費者物価指数(コア)の上昇率が2%で持続的・安定的に継続することを目標にしています。

日本では2022年4月から2023年にかけて燃料や輸入物価の上昇によりインフレが起こりました。

2023年1月の4.2%をピークに、直近1月のCPIコア指数は2.0%と、インフレは減速しています。

日米の長短金利差と今後のドル円の見通し

日米の長短金利差

上記は米国10年債利回りから日本10年債利回りを引いたチャート(灰色)と、ドル円チャート(赤色)を表示させたものです。
(チャートはTradingviewより、2024年3月20日時点)

ドル円相場は日米金利差に連動していることがよく分かります。

今回の修正でドル円は約1.7円上昇し、年初来高値を更新しました(2024年3月20日午前時点)。

利上げなのに円安である理由は、既にYCC撤廃とマイナス金利解除が織り込まれていたことと、声明に「緩和的な金融環境が継続する」と明記されていたからだと思います。

多少利上げしようが、日本がほぼゼロ金利であることは変わりませんから、まだ円を買う理由はありません。

しかし日米金利差を見ると、現在は短期的には買われすぎだと思います。

かといって円高になるとは到底思えません。

円高由来のドル円下落が疑問な理由

  • 確かに今年アメリカが利下げをすれば、日米金利差は徐々に縮まる
  • しかし日本は「当面、緩和的な金融環境が継続する」ということなので、どんどん利上げをしていくような状況ではない
  • 日本のCPIは下落傾向、持続的な賃金上昇があるとは言えない
  • 日本が利上げを継続できないなら、やっぱりキーになるのはアメリカの金利である
  • アメリカのCPIは思ったより低下していない、利下げ後退の可能性

ということで、ドル円はほぼアメリカの経済指標次第だと思います。

まとめ|ついにマイナス金利解除

やっとマイナス金利解除が解除されました。といってもまだゼロ金利です。

日本の金融政策が正常化の一歩を踏み出したのは好感できます。

 

私はとにかく実質賃金が上がることを望んでいます。

賃上げとか我が家には無縁です、しかし物価は上がるという地獄!

やっぱり労働組合ないと厳しいですねぇ。

文句ばっかり言って何もしない他力本願です(笑)

なのでしっかり投資して、資産を増やせるようにがんばります。

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労働で稼げないので投資しよう