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【為替介入】一時151円上抜け!口先介入がレベル5に到達

【為替介入】口先介入の警戒レベルまとめとドル円のボラティリティ

2023年10月31日に151.7円まで上昇しました。

現在はアメリカの雇用統計などの経済指標を受け、ドル高のピークアウトかという雰囲気ですが、高い口先介入のレベルまで到達しているので、現状をまとめてみます。

チャートはすべてTradingViewを利用して作成しています。

この記事はこんな人におすすめ
●口先介入の警戒レベルを知りたい
●現在の口先介入のレベルを知りたい
●過去と比べた現在のドル円ボラティリティを知りたい

 

 

 

口先介入の警戒レベル

口先介入の警戒レベル一覧

以下の表は過去の発言から口先介入の警戒のレベルを6段階でまとめまたものです。

レベル 特徴と発言例 重要ワード
1

「コメントしない」がコメント

  • 市場動向に一喜一憂しない
  • 円安(円高)にはいい面もある
  • 円安(円高)は海外要因による
「コメントしない」
2

注視のみ。事実・理想を述べるに留まる

  • 為替相場は安定的に推移するのが望ましい
  • 為替相場はファンダメンタルズを反映するのが望ましい
  • 市場を注視している
  • 円安(円高)は一方向に偏っている
「望ましい」、「注視」
3

急速な変動を緊張感を持って懸念し始める

  • 急速な変動は望ましくない
  • 緊張感(警戒感)を持って市場を注視する
  • 為替相場の動きは明らかに行き過ぎている
  • ファンダメンタルズを反映してない(乖離している)
  • 行き過ぎた変動は好ましくない
「急速な変動」、「行き過ぎ」、「緊張感」、「ファンダメンタルズ」
4

投機的な動きをけん制し、適切な措置(為替介入)を仄めかす

  • 投機的な動きは容認できない
  • 必要であれば適切な措置を講じる
投機的」、「適切な措置」
5

断固たる措置(為替介入)がいつでもできることを示す

  • 投機的な相場の動きには断固たる措置をとる
  • 行き過ぎた動きにはあらゆる措置を排除しない
  • あらゆる措置を排除せず必要な対応を取る
  • 海外当局とも緊密に連絡を取っている
  • (為替介入は)スタンバイの状態、いつでもできる
断固たる措置」、「あらゆる措置」、「海外」
6 レートチェックを実施

より詳しい説明は、下記記事をご覧ください。

2023年11月現在の口先介入

今年の口先介入をまとめました。

先ほどの表から、現在の口先介入のレベルを私の独断で決めてます。

日付 コメント レベル
6月26日 松野官房長官:「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だが、足元では急速で一方的な動きも見られる。政府としては、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた動きに対しては、適切に対応する考えだ」 3
6月26日 神田財務官:「足元は急速で一方的だとみられる。行き過ぎた動きには適切に対応したい」 3
6月27日 鈴木財務相:「最近は急速で一方的な動きもみられる。行き過ぎた動きに対し、適切に対応する」
「強い緊張感を持って注視している」
3
6月28日 神田財務官:「高い緊張感を持って注視している」 3
6月28日 鈴木財務相:「足元でやや一方的な動きがある。行き過ぎた動きには適切な対応を取る」 3
6月30日 鈴木財務相:「為替相場は、ファンダメンタルズ=基礎的要件を反映して、安定的に推移することが重要だが、最近は急速で一方的な動きもみられる」
「政府としては、高い緊張感を持って市場の動きを注視している。行き過ぎた動きには適切に対応していく考えだ」
3
8月15日 鈴木俊一財務相:「過度な変動は望ましくない」「行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取りたい」「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視している」
「何か絶対的な水準があって、それを超えたから、防衛するためにやるということではなく、ボラティリティーの問題」「投機筋の動きがあれば、企業の将来的な経営計画や家計にも影響するため、しかるべき措置を取る」為替の水準に言及すれば直ちに為替に不測の影響を与えるため「コメントできない」とした。
3-4
9月6日 神田真人財務官:「急激な変動が起こっている」「こういった動きが続くようであれば、政府としてはあらゆる選択肢を排除せずに適切に対応していきたい」
「投機的な行動、あるいはファンダメンタルズで説明できないような動きが見られており、高い緊張感を持って注視している」
3
9月26日 鈴木財務相:「高い緊張感をもって市場動向みている」
過度な変動は好ましくないとの認識は各国当局と共有している」
過度な変動に対し、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応」
3-4
9月27日 鈴木財務相:「強い緊張感をもって動きみている」 3
10月2日 鈴木財務相:「強い緊張感をもって市場の動向みている」 3
10月2日 松野官房長官:「為替相場は安定的に推移することが重要」
為替相場高い緊張感を持ってしっかり対応していく」
3
10月3日 鈴木財務相:「介入警戒感についてコメントしない」
「引き続き高い緊張感をもって万全の対応をしていく」
3
10月4日 神田真人財務官:「市場介入の有無についてはコメントを控える」
過度な変動に対してはあらゆる手段を排除せずに適切に対応するという考え方を堅持している」
3-4
10月4日 鈴木財務大臣:「為替は安定的な動きが望ましく、急激な動きは好ましくない。市場の動向を極めて注意深く、緊張感を持って見ている。過度な変動が起きたときには、あらゆる対応を排除せずにしかるべき措置を取る」 3-4
10月4日 松野官房長官:「為替相場 過度な変動望ましくない」 3
10月14日 鈴木俊一財務相:「為替相場過度な変動は望ましくなく、場合によっては適切な対応を求められることもある」 3-4
10月20日 鈴木俊一財務相:「金利を含めてさまざまな要因を背景に変動する。ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要だ」 3
10月26日 鈴木俊一財務相「今まで通りしっかり、緊張感を持って注視していく」 3
11月1日 神田真人財務官「短い間に数円動いている。一方的で急激な動きを懸念していて、過度な変動にはあらゆる手段を排除せず適切な行動をとる」
為替介入の可能性について「スタンバイしている」と市場をけん制。
「一番大きいのは投機だと思う。総合的に勘案するとファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)と合っていない動きがみられる。国民生活への影響が大きいので適切な対応をとらなければいけない」
3-5

145円に迫った6月26日ころからレベル3の口先介入が始まりました。

そこから7月14日にかけて137円まで下落したため一旦収まりましたが、再び8月15日に146円まで上昇し、口先介入が再開されます。

そこから介入警戒感から急騰はしないものの、9月から10月は高値圏でもみ合い、レベル3~4の口先介入が続きました。

 

口先介入のレベルが大きく上昇したのは、11月1日の神田財務官の「スタンバイしている」という発言です。

過去に為替介入直前(当日)に発言した言葉なので、為替介入秒読みなのではと思われました。

★参考★2022年9月22日の為替介入
  • 2022年9月22日13:30
    神田財務官「(為替介入は)まだしていないが、いつでもできる。スタンバイの状態だ
  • 2022年9月22日17:14
    神田財務官「投機的な動きも背景に急速で一方的な動きがみられております。政府としてこうした過度の変動を憂慮しており、先ほど『断固たる措置』に踏み切った」

今後も口先介入があれば追加していきます。

 

 

為替介入を実施するに至る過度なボラティリティとは

口先介入は実弾介入一歩手前の「レベル5」まできています。

為替介入は水準ではなく過度なボラティリティを抑制するために行うということなので、現在のボラティリティについて考えてみます。

 

前回と同じようにボラリティティを測る指標である、ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)HV(ヒストリカルボラティリティを使って考えてみます。

2023年のドル円の推移とボラティリティ

ドル円

上図は2022年1月からのドル円日足チャートです。

 

1段目がドル円の日足チャートです。

2段目はATR(期間1日)で1日の最大の変動幅を表示しています。

3段目はATR(期間14日)です。過去14日間の平均がATRの値です。

4段目はHV(期間20日です。

 

2022年9月22日と10月21日に、ドル売り円買いの為替介入がありました。

①平時、②2022年9月の為替介入直前、③現在のボラティリティを比較してみます。

  ATR(期間1) ATR(期間14) HV(期間20)
①平時 1円以下 0.5~0.7円 4~7%
②2022年9月の為替介入直前 0.4円~3.3円 1.1~1.8円 9~16%
③2023年8月から現在 0.3円~3.2円 0.7円~1.5円 5~14%

現在は平時よりは高いボラティリティであるものの、2022年9月ほどのボラティリティはありません。

11月3日時点ではATR(期間14)は0.976、HV(期間20)9.53とわりと落ち着いていますね。

まとめ

8月後半から10月末までのボラティリティは、介入警戒感もありかなり低くなっていました。

10月31日の金融政策決定会合から1日の値幅が3円近くになり、一気にボラティリティが跳ねあがりました。

しかし現在は、FOMC、ISM、雇用統計と弱い経済指標で、ドル高が調整局面になっています。

前回の高値を抜けない限りは、この水準では実弾介入はないだろうと思います。

安易に実弾介入を期待してショートを入れるのもかなり危険だと思うので、ファンダメンタルズの変化を見極めながら仕掛けていきたいところです。

というか円が強くなっているわけではなく、ドルが弱くなっているだけなので、個人的にはドルストレートの取引がいいのかなと思ってます。