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【為替介入】145円にタッチ!現在の口先介入の警戒レベルとドル円のボラティリティ

【為替介入】口先介入の警戒レベルまとめとドル円のボラティリティ

145円にタッチしましたが、市場は為替介入に警戒してなかなか上抜けることのできない状態が続いています。

現在の口先介入の警戒レベルと、ドル円ボラティリティについてまとめました。

チャートはすべてTradingViewを利用して作成しています。

この記事はこんな人におすすめ
●口先介入の警戒レベルを知りたい
●現在の口先介入のレベルを知りたい
●過去と比べた現在のドル円ボラティリティを知りたい

 

 

 

口先介入の警戒レベル

口先介入の警戒レベル一覧

前回、過去の発言から口先介入の警戒のレベルを6段階でまとめました。

今回はもうすこし圧縮して見やすくしました。

レベル 特徴と発言例 重要ワード
1

「コメントしない」がコメント

  • 市場動向に一喜一憂しない
  • 円安(円高)にはいい面もある
  • 円安(円高)は海外要因による
「コメントしない」
2

注視のみ。事実・理想を述べるに留まる

  • 為替相場は安定的に推移するのが望ましい
  • 為替相場はファンダメンタルズを反映するのが望ましい
  • 市場を注視している
  • 円安(円高)は一方向に偏っている
「望ましい」、「注視」
3

急速な変動を緊張感を持って懸念し始める

  • 急速な変動は望ましくない
  • 緊張感(警戒感)を持って市場を注視する
  • 為替相場の動きは明らかに行き過ぎている
  • ファンダメンタルズを反映してない(乖離している)
  • 行き過ぎた変動は好ましくない
「急速な変動」、「行き過ぎ」、「緊張感」、「ファンダメンタルズ」
4

投機的な動きをけん制し、適切な措置(為替介入)を仄めかす

  • 投機的な動きは容認できない
  • 必要であれば適切な措置を講じる
投機的」、「適切な措置」
5

断固たる措置(為替介入)がいつでもできることを示す

  • 投機的な相場の動きには断固たる措置をとる
  • 行き過ぎた動きにはあらゆる措置を排除しない
  • あらゆる措置を排除せず必要な対応を取る
  • 海外当局とも緊密に連絡を取っている
  • (為替介入は)スタンバイの状態、いつでもできる
断固たる措置」、「あらゆる措置」、「海外」
6 レートチェックを実施

2023年現在の口先介入

ここ数週間の口先介入をまとめました。

先ほどの表から、現在の口先介入のレベルを私の独断で決めてます。

日付 コメント レベル
6月26日 松野官房長官:「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だが、足元では急速で一方的な動きも見られる。政府としては、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視し、行き過ぎた動きに対しては、適切に対応する考えだ」 3
6月26日 神田財務官:「足元は急速で一方的だとみられる。行き過ぎた動きには適切に対応したい」 3
6月27日 鈴木財務相:「最近は急速で一方的な動きもみられる。行き過ぎた動きに対し、適切に対応する」
「強い緊張感を持って注視している」
3
6月28日 神田財務官:「高い緊張感を持って注視している」 3
6月28日 鈴木財務相:「足元でやや一方的な動きがある。行き過ぎた動きには適切な対応を取る」 3
6月30日 鈴木財務相:「為替相場は、ファンダメンタルズ=基礎的要件を反映して、安定的に推移することが重要だが、最近は急速で一方的な動きもみられる」
「政府としては、高い緊張感を持って市場の動きを注視している。行き過ぎた動きには適切に対応していく考えだ」
3

 

3者ともに、まだ緊張感」「行き過ぎ」「急速しか言っていませんね。

完全にレベル3です。

今後も口先介入があれば追加していきます。

 

 

為替介入を実施するに至る過度なボラティリティとは

口先介入はまだ「レベル3」であることが分かりました。

為替介入は水準ではなく過度なボラティリティを抑制するために行うということなので、現在のボラティリティについて考えてみます。

 

前回と同じようにボラリティティを測る指標である、ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)HV(ヒストリカルボラティリティを使って考えてみます。

2022年のドル円の推移とボラティリティ

2022年のドル円日足チャート

上図は2022年9月22日の為替介入(始値は144.08円、高値は145.9円)に至るまでのドル円日足チャートです。

 

1段目がドル円の日足チャートです。

2段目はATR(期間1日)で1日の最大の変動幅を表示しています。

ATR(期間1日)は1円前後で、頻繁に1.5円から2円、また3円に達することもありました。

 

3段目はATR(期間14日)です。過去14日間の平均がATRの値です。

ATR(期間14日)はほぼ1円を超えています。1.5円程度で推移することが多かったようです。

 

4段目はHV(期間20日です。

HV(期間20日)は常に10%を超え、15%前後で推移することもありました。

 

2022年の為替介入前のボラティリティはかなり高かったことが分かります。

2023年のドル円の推移とボラティリティ

2023年のドル円の推移とボラティリティ

さて、上図は今年のドル円の日足チャートです。

まず見て思うことは、ボラティリティが後半にかけて下がっていること。

ATRを見ると、変動幅は3月くらいからかなり落ち着いてきていることが分かります。

HVも2月から概ね15%以下で推移し、6月には10%以下が続いています。

 

現在のドル円ボラティリティは、為替介入のあった2022年のボラティリティより低いことが分かります。

2022年以前(平時)のボラティリティ

昨年よりも現在のドル円ボラティリティは決して高くないことが分かりました。

しかし、2022年のドル円上昇大相場以前と比べてみるとどうでしょうか。

2021年からのドル円日足チャート

口先介入が頻繁になる前の2022年の4月以前を見ると、1日の値幅は基本的に1円前後で推移しています。

ATR(14)で見ると1円以内です。HV(20)もほとんど10%以内ですね。

 

こうしてみると、現在のATR(14)が1.106、HV(20)が8.02というのは、まだボラティリティが高い状態です。

前回の記事で、ATR(14)が1以下、HV(20)が10%以下に定着しないとボラティリティが戻ったとは言えないと書きましたが、今回はHV(20)は10%以下に定着しているようです。

しかしATRは以前の水準には戻っていません。

まとめ|現在のボラティリティは決して低くない

現在のボラティリティは、「昨年の為替介入時よりは低いが、為替介入前よりは高い」状態になっています。

個人的にはそんなに急速か・・・?とは思います。

しかし現在のボラティリティを考えると、為替介入はないとは言えないので、やはり口先介入のレベルの変化に気を付けたいところです。

投機的」「断固たる措置」「あらゆる措置といった言葉が出てきたら注意したいところです。